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Hikikomotrip

ブログで旅する27歳ひきこもり

中2のバレンタインでチョコをくれた女の子がブルセラになった話

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世間はバレンタインデーの話題で持ちきりだ。

ぼくはバレンタインと聴くといつも思い出してしまうある女の子がいる。

今日はその子についてちょっと話してみる。

 

中二の夏休みが終わった頃、同じクラスのある女の子と仲良くなった。彼女の部活はバスケ部。色白で細身、歯に矯正をしていた。勉強もよくできてクラスで3番目くらいには入っていた気がする。真面目で笑顔が似合う万能タイプの女子中学生。それがぼくの彼女に対する印象だった。

 

なんで仲良くなったのかはあまり覚えていない。たしか席替えで近くになって、なんてことない会話をしていたら波長があった、そんな感じだったと思う。ある日「メールしようよ」と急に言われてアドレスの書かれたメモ帳の切れ端をもらった。ぼくはメールなんかしたことなかったから、はじめてのメールで家のWindows98のパソコンから同じ内容のメールを8通送ってしまった。メールがちゃんと送信できていないと思っていたのだ。次の日、彼女とそのことで一緒に笑った。めちゃくちゃ恥ずかしかった。

 

席替えの時期になった。席が遠くなったからか、彼女と話す機会はだんだん減っていった。メールも徐々にしなくなった。特に彼女について気に留めることもなく、ぼくはサッカーに打ち込んだ。当時先輩からレギュラーの座を奪うため馬鹿みたいに練習していた。

 

年が明けて正月モードがやっと落ち着いた頃。いつものように部活から帰ってくると家に続く路地の入り口に彼女が立っていた。「あっ」中二の男子はバレンタインの日は気が気じゃないから、すぐにどういうことかピンときた。

 

「チョコ作った。食べて」

「うん、ありがと」

「あのさ、、」

 ぼくの答えは決まってた。

「ごめん」

「ううん、でも絶対食べてね」

 

会話のやりとりはちゃんと覚えてない。結構淡白だったことだけ覚えてる。当時ぼくには他に好きな女の子がいた。彼女と同じバスケ部で色黒で背の低い活発な女の子。中1のときに同じクラスだった。その子とは中3の七夕に告白して付き合うことになる。3ヶ月で振られたけど。

 

バレンタインデーの次の日、彼女は学校に来なかった。その次の日も来なかった。1ヶ月経った。彼女はまだ学校に来てなかった。そして変な噂話が耳に入ってきた。

「〇〇さんパンツ売ってるんだって」

「あんまり家に帰ってないらしい」

「なんか別の学校の子と遊んでるみたい」

ぼくのせい?心臓がキュッとなった。 動揺して、彼女と1番仲が良かった女子に噂の真相を確かめに行った。「あのさ、聞きたいことあるんだけ…」無視された。数日経ってその子は口を利いてくれた。その子は彼女と連絡を取っていて、どうやら夜遊びしたり下着を売ってるのは本当らしい。なんだかぼくのなかで複雑で説明しがたい感情がモヤモヤと生まれた。

 

結局、卒業まで彼女はほとんど学校に来なかった。たまに学校に来たと思ったら髪の毛を茶色に染めていて、すぐ風紀担当の先生に連れていかれるといった具合だった。こっぴどく怒られて彼女が黙っているはずはなく、人目もはばからず先生と大声で喧嘩していた。知らない間に典型的な不良少女に変わっていた。当然勉強なんかしなくなって、学年でも成績上位だった彼女は半年前では考えられないレベルの高校に行くことになった。バレンタインデーの日から卒業まで、ぼくは彼女と喋る機会はなかった。何度か廊下ですれ違ったけど、目を合わせてはくれなかった。中学卒業後、彼女がどんな人生を送っているのかぼくは知る由もなかった。毎年バレンタインがくるたびに彼女のことを思い出す。それだけだった。

時は流れて10年後、Facebookで彼女から友達申請が来た。プロフィール写真。黒髪の彼女と幼い女の子がこっちを向いて笑っていた。ぼくはほっとした。