ブレーンストーミングとは?ルールとアイディアがザクザク出てくる進め方を解説する

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 会社や大学の授業で企画アイディアを出したり問題解決をするとき、ブレインストーミングを行う機会があると思う。クリエイティブなアイディアを生むためにブレインストーミングは最適な発想法だ。しかしポストイットを使って会議をしているというだけで、結局新しいアイディアは何も生まれていないといったことはないだろうか。ブレインストーミングは少しの工夫で一気に生産性が向上する。ここでは以下のような人に向けて戦略的にアイディアを量産するためのブレストのやり方を書いていく。

1)実際にブレインストーミング(以下ブレスト)を使って会議をする人

2)ただ時間を浪費するだけの会議をなんとかしたいと思っている人

3)新しいアイディアを考えなければいけない人

ブレインストーミングとは

 

ブレインストーミングはチームで生産性の高いアイディアを創出するための発想法だ。「世界で最もクリエイティブな企業」とも呼ばれるデザインファームIDEOがあらゆる分野で革新的な商品やサービスを生み出している秘訣としても有名。

ブレインストーミングとは、集団でアイデアを出し合うことによって相互交錯の連鎖反応や発想の誘発を期待する技法である。(wikipediaから引用)

一般的な会議と創造的な会議の違い

 

一般的な会議では、議題が予め決められており直線的に進行するが、アイディアを出す創造的な会議では直線的なプロセスではなく、発散・創発・収束の3つのプロセスに区切って企画を作成していく(下図)。ブレストが活躍するのはフロー図の発散の部分だ。  

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3つの道具

基本的にはこの3つ道具があればOK。

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  • ポストイット
    創造的な会議に置いてとても役立つ。人数分より少し多めに準備を。
  • 色付きマーカー
    色付きのマーカーの方が好ましい。誰のアイディアかひと目で分かる。
  • ホワイトボード
    ポストイットを貼れれば、大きな机でも壁でも鏡でも構わない。貼るところが確保できるならば屋上やテラスなどの屋外スペースでもいい。

 

アイディアを量産するブレインストーミングの方法

 ブレインストーミングは下の3つのステップで進める。

 

1.それぞれアイディアをポストイットに書き出す 

2.考えたアイディアを発表し合い、それに対してみんなで議論する。

3.議論をもとにアイディアをまとめる。

 

たくさんのアイディアを出す。批判しない。緩い雰囲気を保つ。便乗する。が基本だ。一般的なブレインストーミングのルールはここに詳しくまとめてある。基本的な7つのルールでは一般的な会議に適用しにくい部分もあるため、ここでは普通の会議にも応用しやすいように創造的な会議をするためのブレインストーミングの8つのポイントを紹介する。

 

1.30分以内に終わらす

ブレストは短時間で行うことが重要だ。アイディアを出すという行為にはかなりエネルギーが必要。30分を超えるといつものつまらない会議以上に非効率な時間になってしまうかもしれない。個人でアイディアを出す時間を3〜5分。議論、ブラッシュアップの時間を12分〜17分。まとめを5分というのを目安にしてほしい。 

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2.ピザ2つ分の人数

ブレストに限らず効率的な会議には適当な人数が有る。それ以上の人数でやっても効果は薄い。アマゾンCEOジェフ・ベゾス氏は「2つのピザで賄える人数」を推奨し、それを超える人数の会議は行わないルールを採用している。5〜8人くらいがベターだろう。もしそれ以上になるならグループに分けて最後に報告し合う時間を取るといいかもしれない。

 

3.テーマに幅を持たす

アイディアを出したいテーマはある程度曖昧なものにしよう。しかし「ある程度」というのは意外と難しい。テーマが広すぎるのは議論中に迷子になる。下記のテーマ設定例を参考にしてみてはどうだろう。ポイントは「カップホルダー」を考えるのではなく「問題を解決する方法」を考えることだ。

「スマートフォンのアプリで成功するためには?」というお題は切り口がありすぎる上、抽象的すぎてしまい、ブレインストーミングは上手くいきません。ある程度具体的なものが出る大きさにすして下さい。
ただし、はっきりさせすぎるのも良くありません。例えば「自転車用カップホルダー」というテーマだと、そもそも自転車の時にカップなど使わないですし、発想の幅が小さくなってしまいます。「自転車に乗る時に、こぼしたり火傷したりせずにコーヒーを飲む方法は?」 などにすると発想が膨らみやすいですね。*1

 

4.黙って3分書き続ける

基本的にブレストの質は、書きだされたポストイットの数に比例すると考えていい。まずは1人でアイディアを一気に書きだそう。予め1人何個くらい出すかを決めておくと1つのアイディアに時間をかけることが少なくなる。静かな時間はここまでだ。

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5.とにかく短く

ポストイットにはなるべく、短く大きく書くことだ。15文字以内がいいかもしれない。経験上パッと見で読めないポストイットは、例え最高のアイディアが書かれていても採用されることはない。

どうしてもというときはキーワードだけ大きく書き、他の部分を小さく書いておこう。あとで口頭で補足をするという形をとれば事足りることが多いからだ。また文字ではなく絵を書くのもいい。視覚に直接訴える絵は議論を促進する。

 

6.馬鹿な方が偉い

アイディアに大きい小さいはない。恥ずかしがらずに誰でも思いつくことからガンガン書こう。馬鹿なアイディアは大歓迎だ。笑いも起こらないものばかり書くほうが恥ずかしいぐらいが丁度いい。 ノイズがある方がアイディアは面白い方向に進む。でもあくまで議論の軸からははみ出さないように注意。

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7. 批判はご法度

ブレストにおいて批判は絶対になしだ。とにかく褒めて便乗してアイディアの種を育てよう。また2つ以上のアイディアを組み合わせるのも効果的だ。その場合は新しくポストイットに書き出してマーカーなどで囲みグルーピングしておくといい。

 

8.立って歩いて

軽視されがちだがとても重要なことだ。ブレストはとにかくフランクな雰囲気が重要。ブラブラ歩きながら立って議論しよう。全員が自由に発言できるからこそ多様なアイディアが生まれる。立って行うことは時間短縮にも繋がり生産的だ。

他にも例えばネクタイは外して行おう。また議論する際、チョコレートなどのお菓子を食べながらするというのも効果的だ。

 

まとめ

ブレストをはじめる前にこの8つのポイントを共有してからスタートするのがおすすめだ。いくらブレスト慣れていてもルールは毎回確認した方がいい。 議論にのまとめ方についてはKJ法やマインドマップなど挙げだしたらきりがないためここでは割愛。

以下のページに幾つか例が載っていたので参考にしてほしい。その場でまとめてしまうのもアリだが、まとめ作業は誰かが担当して後日たたき台にしてブラッシュアップするのも時間効率的には良い。文化祭のアイデア出しにも!面白い企画を生むブレスト(ブレインストーミング)の進め方

大切なことなので重複になるが、ブレインストーミングは基本的にアイディアを発散させる方法で、アイディアをまとめたり最終決定するためのものではない。アイディアのまとめ方やブラッシュアップの方法論などはここでは紹介しきれないのでまた別の機会にまとめたい。

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